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社会医学は、人々の疾病を予防し、健康を維持・増進するために、これまで大きな役割を果たしてきた。具体的には、医学をベースとして科学的なエビデンスを創出して社会に適用し、地域・職域や国レベルの集団とシステムに働きかけ、健康な生活・行動様式の推進、安全な環境の保持、医療提供システム等の構築に貢献し、人々の健康増進、疾病の予防や回復、平均寿命や健康寿命の延伸、安心と安全の保持の達成に必須の大きな役割を果たしてきた。
日本国憲法25条に規定される国の責務たる「すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努める」の実践の主役として、医師法第一条で、医師は公衆衛生の向上及び増進に寄与するものとして位置づけられているように、上記の社会医学的活動の推進には、医学の専門性に基づく医師のリーダーシップは必須である。
今後も、社会医学に使命感と熱意のある医師が、社会医学領域での専門性を高めて、本領域をさらに発展させていくことが社会的に求められている。そのためには、社会医学領域の専門医制度の確立が必要となる。
社会医学は、医学を共通基盤とし、臨床医学が病める個人へのアプローチを中心とするのに対し、実践的な個人へのアプローチを有しながらも、広範な健康レベルを有する集団や社会システムへのアプローチを中心とする特徴を有している。また医学に留まらず、科学全体やさらに経営管理等の人文系にわたる広範な学問体系を応用して理論と実践の両面から保健・医療・福祉・環境とそれらとの社会のあり方を追求する学問である。従って、社会医学を担う上での専門性を維持・向上させるためには、社会医学領域の専門医制度を構築するべきである。(共同提言:社会医学領域の専門医制度確立について(2015年6月5日)
以上より、関係学会・団体が協働して社会医学系専門医制度を構築し運営するために当協議会を設立した(2015年9月11日)。
社会医学系専門医協議会は法人化され、「一般社団法人 社会医学系専門医協会」となりました(2016年12月5日)。